魚だって大空を飛びたい !

Moi, un poisson. mais,je voudrais voler dans le ciel !

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2007-06-27 (Wed) 17:00

鬱との戦い

070617-2
のどやかな琵琶湖の魚釣りの風景です。人間こうありたい物なのだが・・

先日NHKで「今30代に蔓延する鬱」の特集をしていた。
我が友人、長年同じ職場で共に生きてきた後輩は、まさに、その30代も終わりに近い。
先日来、どんな具合なのか気になり、会いたいと思ってメールで聞くが、どうしても人と会える状態ではないようだ。
メールを送るのも気持ちの負担になってはいけないと思い、絵手紙作戦で行こうと思ったが、私は絵も字も下手で、絵を描くどころか、お天気マークさえ上手く書けない。でもその拙さが返って面白かったようだ。
その効果が出てくれたらと「近くまで来ているけれど」とメールを入れたが「やっぱり無理です」との返信。仕方ない、諦めて家に戻る。
でも2時半頃「今どこにいるの」と携帯に声が入ってきた。
家に戻っているとは言わずに「帰る途中やから、会おう!」と言って飛び出す。
40分後に街で出遭うことが出来た。
一目見ただけでは笑顔もでていて元気そう。
でも10キロ体重が落ちているとのこと。
あれこれ話をしていたら、しきりに手を振る。じっとしていると手が震えてくる。それを紛らわすために手を振っているのだ。そして話をしていると、止めどなく涙を流す「もう出尽くしたと思ったのに、まだ出るのよ」と泣き笑いしながら・・・
ここまで、追い込んだ、今の職場の長に、私は猛烈に怒りを感じている。
診断書を出したとき「誰が鬱ですか?私から病院に問い合わせますよ」と言ったそうだ。
「構いません」と答えて、次の診察の時に「職場から問い合わせがありましたか?」と医者に聞くと、「本人の同意書がない限り回答はしないし、問い合わせもないです」との返事だったそうだが・・・・
鬱の職員に対して『おまえの言うことは信じられない』というに等しい発言ではないのか!管理者としてあるまじき態度ではないか・・・
そうして、病状の説明をして
「夜中に絞め殺されそうになる夢を見て大声を上げて目を覚ます日々が続くんです」
「それは私ですか?」と聞きかえされて「違います」と答えたけどとのこと・・・
ということは、虐めていたという自覚があるんだなあと、話を聞きながら思った。
鬱の原因には、まず第一に過労。
労働過多と果てしなく続く残業・・・でも彼女は今までも、忙しさの中大変さを乗り越えやってきていた。それが出来たのは、相互扶助と職場で笑いを生み出す雰囲気が合ったからだと思う。
次は人間関係だろう。これが一番大きいのではないかと思う。
次々と人事異動で、メンバーが替わり今までと、職場の雰囲気がすっかり変わってしまった。そして団塊の世代の先輩は退職、中堅どころ40代の上役は転勤。自分が最年長になると、仕事の責任が両肩に掛かってくる。気にしないでおこうと思っても気にならずにはいられない。事務作業も複雑化しミスが許されない上に、目標という営業ノルマも、今までと違い要求される。
忙しすぎて苛つくと何かにはけ口を求めたくなる。
彼女の職場の長は、その対象に彼女を選んだのだ。
「何をしても怒られる」と始めの頃は笑って言っていたが、1年ほどして職場に寄った時、彼女が職場の他の人に「これで怒られないと思う?」
と自分の服装について尋ねているのを聞いて仰天した。
出張の時に着ていく服を点検して
「駄目です。着替えてきなさい」と帰らされることが再々で音を上げてしまったらしい。
「服を買う金がないと言いなよ」というと
「給料の中に含まれているんですと言われるの。もう言い返すことに疲れた。髪も月に一度は切ってこいと言われるの。しんどいから言うとおりにしている方がマシ」
あのころから鬱の目がでていたのだろう、きっと・・・

滞りなく仕事をして、頑張って少しだけでも営業の成績を上げる。でも、けして褒められる事はない。出来てないことをしかりつけるのが先、それが辛かったという。
なんで、「よくやったね。」という言葉が出せないのだろう!
自分がおかしくなってきていると感じたのは1年前ぐらいからだという。
職場で辛そうにしていると、その長は
「何を言ってるんですか。私の方が何倍もしんどいんです。」
「民営化になるんです。土曜も日曜もなくて当たり前です。休みたいなんてとんでもない」
「負けず嫌いなのよねえ。でも管理職が下に当たるのはいけないのではないだろうか」
「なんで、民営になると忙しくて当然と、みんな受け入れるんだろうね」
と、それでも客観的に見てあげている彼女が健気で・・

一つ一つのことを取り上げると、笑えるぐらい下らない事なのかもしれないが、それが積み重なると、心が耐えられなくなってくるのだ。
なにより大きかったのは、リラックスして笑顔が出ると叱られるという事だと思う。
仕事中は私語禁止。お客さんとも長年の付き合いなので、話の中で楽しくなって会話がはずむと、必ず「言葉遣いが悪い」と後から注意を受ける。
「ため口になったり、確かに私は言葉遣いが下手ではあるけれど」と彼女は言うが、
私の長年の営業で知った一番大切なのは、誠意だよ!口の巧さでも何でもない。
相手のことをおだてるんではなく、人間として大切に思う気持ち。
嬉しいことがあったら一緒に喜んであげ、悲しいときは共に心配する。
その人間関係の中で、街の郵便局は地域と一緒に生きていたんだ。
わたしは、それだけは自信を持って言いたい。
笑いを取り上げると言うことは、人間の自我を殺してしまう事だ
毎日毎日、処理しきれない仕事の山。強ばった表情、偽りの笑顔で、うっかり気を抜くと、叱責が飛んでくる。
おそらく、日本中の職場で起きていることは、ほぼ一緒では無いかと思う。
まさにイジメの構造だ。
人間の弱さが、自分の辛さを人に当たることではけ口を求める。
人に当たれない、優しさのある人間は自分を痛め尽くしてしまう。
それでも
「私が出勤しないと、他の人が夏休みをとる事が出来ない。なんとしてでも1ヶ月で治そう。治るだろうと思っていたのに、自分が情けなくて・・・
病休を更新して9月になってしまうと、受けなくてはいけない講習に間に合わない。仕事に追いつけない。そうしたら人に迷惑をかけてしまう」
と良くならない自分を責めてしまっている。
「仕事は忘れろって、私が病気で長い入院を繰り返したとき、いつも言ってくれていたではないの!休んでくれても、ちっとも大変でないよって。大丈夫任せて、しっかり治してねといつも枕元で言ってくれてたでしょう。今度は、それが自分の番なんよ!」
「それでも他の人に負担が掛かって・・」
「なあ、あんたがそうだったように、まだ若いうちはそんなしんどさを感じない頑張れる時期ってあるんよ。それに、それでも本当に仕事が回らないぐらい忙しかったら、管理職が組織の上に図って何とかするもんではないの?それが本当の管理職の役目だろう!」
とにかく復帰を急ぐな!
という話が出来ただけよかったかも知れない。
人間関係が原因の場合、その環境に戻すと、もっとも再発しやすい。とNHK特集でも言っていたので、今の状態での職場復帰が一番恐い・・
「でも、局長さんは1ヶ月で出勤できると予定してはるやろうし・・・」
「考えるな! とにかく治ってしまったら、どんなにでも、他の人に休んで貰えるやんか」

どうして、こう真面目で律儀なんでしょうね。彼女、やっぱりA型です。

とにかく、あわてず騒がず、ゆっくりと病気と付き合っていこうね。
365歩のマーチだ。「3歩あるいて2歩下がる」
それでいいんだよ。

問題は、この状況の職員を邪魔だから追い出そうという動きが出てこないか心配なのだが・・・



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最終更新日 : -0001-11-30

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