秋の花(ジベルニーの庭)

初めてのフランス。初めてのパリ。
片言で、買い物もやっとという私が言って何をするのだ?
歌のレッスンを、パリで受けることが出来たらいいなあ~・・・
観光客相手ではない、ちゃんとした教え方の・・・
でもそれは、あくまで夢でした。
私には、音楽関係の知り合いなどいないし、まあ無理な話でした。
でも、もしそういう事があるとしたらと、当てのない思いで何曲か楽譜をトランクに放り込んできてはいたのです。
でも、こんな幸運もあるのですね。
マチューに出会い、そしてフランス在住の声楽家 T 先生にもお会いできました。
Mathieu El Fassi(マチュー・エルファッシ)の紹介です。
彼のホームページは日本人には、ちょっと見にくいけれど、下の方の画面にある YouTube で彼の演奏を聴くことが出来ます。
http://www.myspace.com/mathieuelfassi
私は音楽については、全くの素人ですので、彼がフランスでどんなジャンルでどんな演奏をしているのか、それすら何も知りません。有名なのか?そうでないのか?何をやりたいと思っているのか?何も分かりませんが、彼はラクラシックからポピュラーまで何でもこなせる、これからの演奏家です。
後何年か先だったら、教えてもらうなんて出来ないかも・・・?
オペラで開かれていたシャンソン教室に行ったのも偶然なら、そこで教えに来てくれていたマチューに、レッスンを頼んで、OKがもらえたのも信じられないことでした。
その教室を主宰してくださっている方に、その日の教室の最後に「個人レッスンをお願いしたいのですが?」
と声をかけると
「彼に頼みたいなら今すぐ確保しておかないと、いったん行ってしまうと、ほとんど連絡取れませんよ。携帯にかけても、ほとんど出ないから・・・」
アワワ・・・その場で頼みました。
「いいよ。じゃあ僕の所に来られますか?、何日、何時に、場所は何区のどこで・・・」とあっさりとOK!
私は必死で場所とメトロを控え 「お願いします」
主催者の方が私に言いました「一人で大丈夫ですか?」
「いや~・・若い娘じゃないんだし、男性と二人切りでも、そんなあ~・・」
全く誤解してましたね、このおばさんは・・・
彼女は、通訳者が介添えしなくても大丈夫ですか?・・・と聞いていてくれていたのです。
そりゃまあ、サルコジ政権と菅政権の相違を議論するとかだったら通訳がいるでしょうが、歌を教えてもらうだけだから、大丈夫でしょう!と思ったのです。
お話によると、通訳をつけると、そちらの料金の方が高いそうです・・・
でも私のボキャブラリーの中には音楽関係の用語が一切入ってなかったので、実際稽古を始めると、けっこう大変ですた。
彼も、どうやって教えたらいいのだ?私も、言ってることが半分ぐらいしか分かってないし・・
まず始めに聞きました。
「これなんて言うんですか?楽譜 ミュージックでいいのかな?」
前から疑問に思っていたのです。
楽譜 パルティシィオン partition
その後、教えてもらっているうちに出てくる言葉・・・
息を吸って レスピレ Respirez
息を吐いて スッッフレ soufflez
さっきと一緒だよ オンスール en soul
音の響き ソノリテ sonorité
調 トナリテ tonalité
だいたい感じで分かるところもあるのですが、とにかく家に帰って録音してきた物を聞き直し、分からなかった言葉を調べ直しました。
トナリテって、となりのトトロとは何の関係もないのだ・・・つまらんことに納得しています。
毎週かよって5回目になりました。帰るまでにあと5回しか行けません。
1回目2回目は、ボイストレーニングもしてくださいと20分ほど声の出し方を教えてもらいました。
日本だったら、マエマエマエマエ・・ですが
フランスだと ロワロワロワロワ に ウイウイウイウイウイウイウイ・・・
めちゃくちゃ言いにくいですが、この口が動かせないと、絶対歌えません。
それにマチュー秘伝の練習方法も・・・
これは口では説明できませんが、おそらく鼻母音を響かせて共鳴音を作り、喉は力を抜いて腹圧で音を揺らす。
これをメトロの中でも歩いていてもずっとやんなさいって・・・・それはやばい!
病院に放り込まれて日本に帰れなくなる恐れがある。
今まで日本で覚えている歌でないと、一から習うのは無理だと思っていました。
でもオペラの教室でやった「モンマルトルの丘」がまるで出来なかったので、せっかくだしちゃんとやって帰りたい思い、2回目にお願いしました。
まず歌詞の朗読をして、怪しい発音を次々とチェックしてもらいます。
朗読も、単に読むのではなくメロディーは取らないけれど楽譜に沿って読む。
たとえば cet-te セットゥ なら セ とトゥ をしっかり分ける。
一つの単語を、一息に言ってしまおうと焦ると 「Non !」
1,一音節ずつ確実に練習してから繋げること・・・
たとえばですねえ~

この Gloire éclabousse を例に取ると
私にとって一番苦手の RとLが繋がっているので、焦ってやっつけてしまおうとします。
グロワレ 「Non!」
Glと oiと re を、それぞれ発音できるか、ちゃんと取って 初めて Gloire が言えるのだ。
おまけに後ろには母音で始まる エクラブス が着いてきてるから レクラブス・・・
誰がブスやねん!
などと言っている余裕はないのでした。
2,子音の発音に余計な母音を入れるな!
何度聞き直しても、自分の発音が変だと思う。
まず第一に引っかかったのが IL です。
Cette chanson .il composa (この歌は、彼が作った)
composer・・・形作る、組み立てるの単純過去三人称単数です(単純過去も、まだ習ってないのですが)
私のILは「イル」に聞こえる・・・まるで変!
それは日本語の イル です。
イ は 口を横一杯に開いて、ちょうど「イーだ!」と子供がするように、まずします。その次に口をちょっと緩めてL エルではなく、エルからルを取ってください。
舌を上あごの前歯の後ろに立てて巻き込まない。
私のフランス語が英語のようだとよく言われていた訳が、やっと分かりました。
RとLというのは結構頻繁に、そして続いて出てくるので、焦ってLを言うとき舌を巻き込んでしまうと英語風になってしまうのです。
一つずつの言葉は、全部文字通り、読んだら書いてあるのだから、しっかり読めなくてはいけない。
この1ヶ月で、出来無いながらも、目から鱗の落ちる思いの気付きがたくさんありました。
第2,3週でレッスンしてもらい第4週目。
一応暗譜して見なくても歌えるようにしていったつもりですが、いざとなると歌詞が飛んでしまいます。
今回は、もうすぐにナチュラルにやってみようから始まりました。
はあ~・・・・なんとかかんとかです。
1回目は最後のフレーズが言えなくて。2回目なんとかセーフ。
彼は「Très bien ! maintenant !」(今度は上手くできた)
ああ、やっと歌詞が入っただけの状態です。
でも本当にサラッとさりげなく、「ああ、こんな歌い方で良いのだ」
こんな歌い方を教えて欲しかったんだ・・・後は自分の練習次第ですね。
そしてすぐに言うのです。
「une autre chanson ?」(他の歌は?)
ええっ?
ではと お願いしたのが que serais-je sans toi です。
これもまだ教えてもらったことが無い曲で、原曲をYouTubeで聴いて、「これやりたい!」
日本語の歌詞しかなかった楽譜に、歌詞を自分で書き込んで作った楽譜です。
これは大変でした。
なぜかというと・・・・次回お楽しみに、続きです。
街を歩く私の影です(何を求めておまえは彷徨うのだ?)


初めてのフランス。初めてのパリ。
片言で、買い物もやっとという私が言って何をするのだ?
歌のレッスンを、パリで受けることが出来たらいいなあ~・・・
観光客相手ではない、ちゃんとした教え方の・・・
でもそれは、あくまで夢でした。
私には、音楽関係の知り合いなどいないし、まあ無理な話でした。
でも、もしそういう事があるとしたらと、当てのない思いで何曲か楽譜をトランクに放り込んできてはいたのです。
でも、こんな幸運もあるのですね。
マチューに出会い、そしてフランス在住の声楽家 T 先生にもお会いできました。
Mathieu El Fassi(マチュー・エルファッシ)の紹介です。
彼のホームページは日本人には、ちょっと見にくいけれど、下の方の画面にある YouTube で彼の演奏を聴くことが出来ます。
http://www.myspace.com/mathieuelfassi
私は音楽については、全くの素人ですので、彼がフランスでどんなジャンルでどんな演奏をしているのか、それすら何も知りません。有名なのか?そうでないのか?何をやりたいと思っているのか?何も分かりませんが、彼はラクラシックからポピュラーまで何でもこなせる、これからの演奏家です。
後何年か先だったら、教えてもらうなんて出来ないかも・・・?
オペラで開かれていたシャンソン教室に行ったのも偶然なら、そこで教えに来てくれていたマチューに、レッスンを頼んで、OKがもらえたのも信じられないことでした。
その教室を主宰してくださっている方に、その日の教室の最後に「個人レッスンをお願いしたいのですが?」
と声をかけると
「彼に頼みたいなら今すぐ確保しておかないと、いったん行ってしまうと、ほとんど連絡取れませんよ。携帯にかけても、ほとんど出ないから・・・」
アワワ・・・その場で頼みました。
「いいよ。じゃあ僕の所に来られますか?、何日、何時に、場所は何区のどこで・・・」とあっさりとOK!
私は必死で場所とメトロを控え 「お願いします」
主催者の方が私に言いました「一人で大丈夫ですか?」
「いや~・・若い娘じゃないんだし、男性と二人切りでも、そんなあ~・・」
全く誤解してましたね、このおばさんは・・・
彼女は、通訳者が介添えしなくても大丈夫ですか?・・・と聞いていてくれていたのです。
そりゃまあ、サルコジ政権と菅政権の相違を議論するとかだったら通訳がいるでしょうが、歌を教えてもらうだけだから、大丈夫でしょう!と思ったのです。
お話によると、通訳をつけると、そちらの料金の方が高いそうです・・・
でも私のボキャブラリーの中には音楽関係の用語が一切入ってなかったので、実際稽古を始めると、けっこう大変ですた。
彼も、どうやって教えたらいいのだ?私も、言ってることが半分ぐらいしか分かってないし・・
まず始めに聞きました。
「これなんて言うんですか?楽譜 ミュージックでいいのかな?」
前から疑問に思っていたのです。
楽譜 パルティシィオン partition
その後、教えてもらっているうちに出てくる言葉・・・
息を吸って レスピレ Respirez
息を吐いて スッッフレ soufflez
さっきと一緒だよ オンスール en soul
音の響き ソノリテ sonorité
調 トナリテ tonalité
だいたい感じで分かるところもあるのですが、とにかく家に帰って録音してきた物を聞き直し、分からなかった言葉を調べ直しました。
トナリテって、となりのトトロとは何の関係もないのだ・・・つまらんことに納得しています。
毎週かよって5回目になりました。帰るまでにあと5回しか行けません。
1回目2回目は、ボイストレーニングもしてくださいと20分ほど声の出し方を教えてもらいました。
日本だったら、マエマエマエマエ・・ですが
フランスだと ロワロワロワロワ に ウイウイウイウイウイウイウイ・・・
めちゃくちゃ言いにくいですが、この口が動かせないと、絶対歌えません。
それにマチュー秘伝の練習方法も・・・
これは口では説明できませんが、おそらく鼻母音を響かせて共鳴音を作り、喉は力を抜いて腹圧で音を揺らす。
これをメトロの中でも歩いていてもずっとやんなさいって・・・・それはやばい!
病院に放り込まれて日本に帰れなくなる恐れがある。
今まで日本で覚えている歌でないと、一から習うのは無理だと思っていました。
でもオペラの教室でやった「モンマルトルの丘」がまるで出来なかったので、せっかくだしちゃんとやって帰りたい思い、2回目にお願いしました。
まず歌詞の朗読をして、怪しい発音を次々とチェックしてもらいます。
朗読も、単に読むのではなくメロディーは取らないけれど楽譜に沿って読む。
たとえば cet-te セットゥ なら セ とトゥ をしっかり分ける。
一つの単語を、一息に言ってしまおうと焦ると 「Non !」
1,一音節ずつ確実に練習してから繋げること・・・
たとえばですねえ~

この Gloire éclabousse を例に取ると
私にとって一番苦手の RとLが繋がっているので、焦ってやっつけてしまおうとします。
グロワレ 「Non!」
Glと oiと re を、それぞれ発音できるか、ちゃんと取って 初めて Gloire が言えるのだ。
おまけに後ろには母音で始まる エクラブス が着いてきてるから レクラブス・・・
誰がブスやねん!
などと言っている余裕はないのでした。
2,子音の発音に余計な母音を入れるな!
何度聞き直しても、自分の発音が変だと思う。
まず第一に引っかかったのが IL です。
Cette chanson .il composa (この歌は、彼が作った)
composer・・・形作る、組み立てるの単純過去三人称単数です(単純過去も、まだ習ってないのですが)
私のILは「イル」に聞こえる・・・まるで変!
それは日本語の イル です。
イ は 口を横一杯に開いて、ちょうど「イーだ!」と子供がするように、まずします。その次に口をちょっと緩めてL エルではなく、エルからルを取ってください。
舌を上あごの前歯の後ろに立てて巻き込まない。
私のフランス語が英語のようだとよく言われていた訳が、やっと分かりました。
RとLというのは結構頻繁に、そして続いて出てくるので、焦ってLを言うとき舌を巻き込んでしまうと英語風になってしまうのです。
一つずつの言葉は、全部文字通り、読んだら書いてあるのだから、しっかり読めなくてはいけない。
この1ヶ月で、出来無いながらも、目から鱗の落ちる思いの気付きがたくさんありました。
第2,3週でレッスンしてもらい第4週目。
一応暗譜して見なくても歌えるようにしていったつもりですが、いざとなると歌詞が飛んでしまいます。
今回は、もうすぐにナチュラルにやってみようから始まりました。
はあ~・・・・なんとかかんとかです。
1回目は最後のフレーズが言えなくて。2回目なんとかセーフ。
彼は「Très bien ! maintenant !」(今度は上手くできた)
ああ、やっと歌詞が入っただけの状態です。
でも本当にサラッとさりげなく、「ああ、こんな歌い方で良いのだ」
こんな歌い方を教えて欲しかったんだ・・・後は自分の練習次第ですね。
そしてすぐに言うのです。
「une autre chanson ?」(他の歌は?)
ええっ?
ではと お願いしたのが que serais-je sans toi です。
これもまだ教えてもらったことが無い曲で、原曲をYouTubeで聴いて、「これやりたい!」
日本語の歌詞しかなかった楽譜に、歌詞を自分で書き込んで作った楽譜です。
これは大変でした。
なぜかというと・・・・次回お楽しみに、続きです。
街を歩く私の影です(何を求めておまえは彷徨うのだ?)

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最終更新日 : 2015-09-20